ニッケンは、世界でも少なくなった
Wラッセルのローゲージによる経編を得意としています。
昨今ではトリコットや丸編みによる細かな編み目の量産品が数多く出回っていますが、
逆に編み目の粗いものや厚みのある製品は、このWラッセルの出番になります。
お客様に満足していたける高品質の製品をお届けできるよう、
社員一同常に厳しい目でチェックしています。
中でも弊社では綿など毛羽立ちがあって切れやすい糸を使うような製品の製造が得意で独特の質感を確保しています。
このように通常のシングルラッセルやトリコットとは、編み目も質感もまったく違うものができてくるのがWラッセル・ローゲージの面白いところです。
ニッケンには数十台のWラッセル機があり、その全てが独カールマイヤー製で、製品に応じて何種類もの機械を使い分けています。
中には世界的にも非常に珍しい9Gダイレクトジャガード機もあります。
ローゲージによる製造において高い品質を確保するためには、編み機にかけるまでの準備と、編み始めてからのチェック、つまり人の手と目が全てといっても過言ではありません。
整経した糸をセットしてテンションセンサーで張り具合を調整したうえで試運転をしますが、ローゲージで使う糸の種類によっては、テンションの僅かな違いで糸の切れが起こるので、最後は人の手でその張り具合を確認します。そういう意味では、人の経験が機械を超える部分でもあり、一番神経を使う部分です。
機械が動き始めると、編み目や糸切れはもちろん、製品の巻きの状態も確認しながら何台もの編み機をチェックして回ります。僅かな巻きの不揃いは、時間の経過とともに大きな歪みとなるため、早い段階で修正することが不良反の発生を抑え、生産性を確保することに繋がります。